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ユーモラスな魔よけ
2016.03.05 Saturday | category:その他
諸見里剛さんの漆喰シーサー
工房ギャラリー前。ねこのピーちゃん
沖縄を訪ねると、門柱や屋根の上に
シーサーがおかれているのを見かけます。
屋根獅子(シーサー)は瓦職人が
赤瓦と接着剤となる漆喰(しっくい)で屋根を葺きあげた後
家主への感謝をこめて、余った瓦と漆喰で
魔よけのシーサーをつくったのがはじまりとされています。
厄よけや魔よけといわれるシーサーですが
古いものは特に、威嚇するかのような表情なのに
どこかとぼけていて親しみを感じられるのが
シーサーの魅力と思うのです。
そんな魅力を感じられるのが
恩納村の工房で製作している
諸見里 剛(もろみざと・つよし)さんのシーサーです。
50年くらい前の赤瓦と漆喰でつくるシーサーは、
素朴で力強く、ちょっとユーモラス。
父親がシーサーをつくるのを子どものころから見てきた諸見里さんは
21歳からシーサーづくりをはじめました。
もう20年以上前のことです。
父親がつくっていた焼きもののシーサーとは異なる
歳月を重ねた赤瓦と漆喰によるシーサーづくりを思い立ってから
古い家屋が取り壊されると聞けば脚を運び
かつての瓦職人によって焼かれた赤瓦を集めてきました。
黒っぽいほうが50年くらい前の瓦。手前が10〜20年前のもの。
沖縄の風雨を長くうけてきた瓦には味わいがあります。
その赤瓦を使い、割れた形を生かします。
形づくる漆喰は、わらを混ぜて粘りを増したもの。
赤瓦の色と漆喰の風合いを生かすため
彩色は最小限にとどめます。
諸見里さんのシーサーからは
時を重ねてきた沖縄の赤瓦がかもしだす包容力のようなもの、
敵を一方的に打ち負かすような強さではなく
魔物の心をもほぐしてしまう、しなやかさを感じます。
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