(右写真はイメージ)
北窯で赤絵を焼くのは、松田米司さんひとり。
年に1度しか焼かないと言われる赤絵です。
というのも、赤絵は二度焼きする手間のかかる焼物。
低温で焼かなければ鮮やかな赤い色が出ません。
その行程は、まずほかの色を彩色し、登り窯で本焼きします。
焼きあがった器に、さらに赤い色をほどこして低温で焼いて仕上げます。
はじめて米司さんの赤絵を目にしたとき
ただただ見とれ、ぜひ仙台で紹介したいと思っていました。
今回その機会を得られたのが、なによりうれしいことです。
北窯の赤絵を、どうぞ手にとってご覧ください。
こちらは、嘉瓶(ゆしびん)。
ひょうたん形の酒器です。
沖縄ではお祝いがあると、泡盛を入れて贈り先に届け、
なかの泡盛だけ差し上げ、瓶は持ち返ったとか。
眺めているだけで心地よくなる形は、オブジェにも、花瓶にも、楽しめそうです。
このほかにも、あんびん、ワンブーなど。
沖縄ならではの呼び名や使い方について
やちむんを前に米司さんが紹介。
秋が近づいてきた仙台で、北窯の風が感じられそうです。
読谷村にある「北窯」は、4人の親方が力を合わせて開いた共同窯。
窯を開いて今年がちょうど20年目にあたります。
北窯の親方4人のうち、おふたりが松田米司さん(左)と共司さん(右)。
笑顔が似ているのは、双子の兄弟だから。
おふたりが36歳のとき、北窯の歴史ははじまりました。
自分で登り窯を設計し、つくりかたを研究。
つくるときには、村のおじい、おばあ、子どもたちも手伝いに来てくれたといいます。
窯が完成したのは、約2年後のこと。
その規模は、沖縄県内でも最大。
傾斜を利用して階段状につくった登り窯には、13室が連なっています。
手で薪をくべて焼く昔ながらの方法で、
まず下段の1室目にある焚き口で18時間、火を焚きます。
すべての室に熱が行き渡ったら
さらに、2室目から13室目まで、3〜5時間ずつ順に焚いて温度を上げていきます。
休むことなく火を焚き続けること、のべ4日間。
手間と時間がかかります。
温度設定ができないため、仕上がりが一定ではなく、製品にならないものも出てきます。
ガス窯や電気窯に比べれば、効率はよくありません。
それでも、合理性や効率性では得られない
ひとつひとつ異なる肌合いや、あたたかみのある風合いがあります。
火入れの前には、登り窯に泡盛と米をお供えします。
「良いやちむんが焼けますように」ではなく、
「健康なやちむんが生まれますように」と祈りをこめて。
神さまに、自然に、まかせます。
登り窯の脇には、ガジュマルの木。
釉薬に使う灰をとるため、窯を開くときに植えたもの。
20年経って、こんなに大きく茂っています。
※明日は、沖縄の土のこと、技のことを紹介します。
あと5日もすれば、仙台光原社で
2012年9/14(金)〜20(木)
『沖縄の焼物展』。
雑誌やウエブで紹介されることが多い
読谷山焼 北窯のやちむん(焼物)は
ここ数年とても人気が高く、入荷待ちといった状況です。
それが今回は、ずらりと並ぶやちむんの数々。
さまざま取りそろえた中からお選びいただけます。
9/14(金)・15(土)には
読谷村の北窯から松田米司さんが、仙台光原社へお越しに。
やちむんの歴史に忠実な作風といわれる米司さんに
直接お話をうかがえます。
北窯にうかがうと、いつも太陽のような笑顔で迎えてくださる松田米司さん(中央)。
松田米司工房のみなさん(左奥が米司さん)。
若手がたくさん、あったかい雰囲気です。
※明日は、読谷村にある「北窯」を紹介します。
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