どの作り手さんもだが、
定番品とはいえ入荷のたびにちょっとずつ雰囲気は違ってくる。
それも楽しいもの。
画像の森永豊さんのコップ。左端、私の好きな「ゴーシュのコップ」。
昨年のものよりちょっとワイルドな雰囲気が強くなった気がする。
この無骨さも、なかなかよいです。
右端のタンブラーは
いちばん昔からの定番のコップ。
「ほにゃっ」とした感じは昔からかわらないけど、
我が家にある10年前、5年前のものと今回のものを並べてみたりすると、
サイズもカタチもずいぶん変遷がある。
何年式トヨタカローラ、みたいなかんじで
「昔はこのコップはこんなだったんだな」って。
今年は、森永さんの作品展開催の年。
今年しか会えない「2012年型」の作品が
たくさん見られるのが楽しみです。
森永豊 吹きガラス展
2012年7月6日から12日まで
真民さんのご縁。
尚之さんが生まれた熊本県荒尾市。
そこは、お父さまの泰秋さんが、ふもと窯をひらいたところ。
そして、「念ずれば花ひらく」で知られる詩人、坂村真民さんの出身地でもあります。
尚之さんの父、泰秋さんは
小代焼の名工であるとともに、真民さんのことばに強く影響を受け、交流のあった方。
ふもと窯の館内には、真民さんのことばが、いくつも貼り出されています。
もしかしたら、まっすぐに熱くつくり続ける尚之さんの姿勢にも
影響しているのかも、と思えるほど
その詩には、真摯な思いがみなぎっています。
そして、仙台光原社の店内にいつも掲げているのも、真民さん直筆の書。
宮城県民芸協会の会長だった門脇允元さんを通して
真民さんとのご縁を得て以来、掲げています。
よい出会いの場となることを願って。
5月18日午後〜19日午前、井上尚之さんが仙台光原社にいらっしゃいます。
山のふもとで、まっすぐにつくる。
尚之さんの仕事場は、熊本にある小岱山のふもと。
小代焼の名工である父・泰秋さんがつくられた「ふもと窯」には、
泰秋さんと尚之さんも含め、5人のつくり手がいます。
仕事場では、つなぎ姿
6室ある登り窯に火入れするのは、月2回。
薪でたく登り窯は、薪ひとつで形や色合いが変わってくるため、
釉薬の溶け具合や焼け具合が異なります。
そこが、土もののおもしろさでもあるのですが、
釉薬が溶けすぎるなど、出荷できない仕上がりになってしまうものも。
「正直、6割ぐらいしかとれませんが
10割とるんだという気持ちをもっておけば、6割以上とれますから。
窯が母なら、焼き上がったものは、自分の子どものような感じ」
5人の子の父である尚之さんにとって
焼きものも、自分の子どもたち。
今回、どんな子どもたちを仙台に迎えられるのか
とても待ち遠しいところです。
※次回は、尚之さんと仙台光原社の「思いがけないご縁」について紹介します。
若きつくり手である尚之さんの作風を代表するのが
「スリップウェア」です。
(写真/左上)スリップ楕円皿(24cm)4,410円 (中)ミルクピッチャー1260円 (右上)ポット小5,670円
(写真/左下)スリップ楕円皿(20cm)2,520円 (右下)スリップ角深皿(21cm)6,300円
スリップウェアとは、イギリスの古陶の技法のこと。
赤や白の化粧土(スリップ)を用い、
一色を全体に掛け、もう一色をスポイトから垂らして模様を描きます。
師匠である小石原焼の太田哲三さんから
刷毛目やポン描きなど、さまざまな技法を教わりました。
そのポン描きが、化粧土をスポイトで垂らしていくスリップウェアと似た手法。
スリップウェアを知り、のめり込んでいきました。
どこかモダンな表情。
パスタやキッシュ、煮物や和えものにも、よく合います。
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